貴市におかれましては、日頃から障害者福祉にご尽力たまわりありがとうございます。
私たち「やまぐち障害者解放センター」は、障害者と健全者が共に生きる社会をつくるために、障害者と健全者が共に行動している集まりです。昨年の2回にわたり貴市と、私たち身体障害者の集団生活の場であり当センターの事務所でもある「グループホーム・アルゴ」の認可にむけた話しを積み重ねてきました。
重度の障害者である私たちも地域社会の一員として生きていきたいと願っています。そのため、障害者差別社会の中で、私たちが奪われてきた社会性を取り戻せる空間が必要だと感じています。
そこで、これまでの交渉を引き継いだものとして、より具体的な要求を出させていただきたいと思います。
1.市営住宅の中に「グループホーム・アルゴ」を設置することの確約がいただきたいと思います。
昨年7月18日の貴市との交渉のおりに、建設課の方から「並んで住むことには問題はない」との発言をいただいています。この発言を、貴市の確約としていただきたいと思います。
これまでの交渉で何度も申し上げさせていただきましたが、私たちは集団生活をすることで生活ができてきました。集団生活をすることで、障害者同士でお互いの悩みなどを日常的に密に話しあうことができました。日常的なピアカウンセリングができていると自負しています。身体障害者の自立にむけた精神面での介護として、集団生活は不可欠なものだと思っております。
また、障害者の自主的な集団生活空間である私たち「グループホーム・アルゴ」には、療護施設や在宅の障害者がよく遊びに来てくれています。そのおりには、お互いの悩みや将来の希望などをよく話しています。
これらにあらわれているように「グループホーム・アルゴ」は、山口地域の障害者の自立にとって、非常に重要なものになっているのではないかと思っております。
これら私たちの思いは、これまでの交渉を通して貴市にもご理解いただけていると思っております。貴市から私たちの入居者会議・介護者会議・施設交流会に来ていただいたことを、私たちはとてもうれしく思っております。前向きに検討していただいておられる貴市の姿勢を明文化したものとして、一昨年の貴市からの回答書の「公営住宅にはグループホームはなじまない」との見解の文書による撤回をお願いしたいと思います。あわせて、昨年9月の質問状での質問項目(3)、(4)、(5)に対する回答をお聞きしたいと思います。
質問項目(3)では、当ホーム入居者である富田政昭が17年前に貴市から、市営住宅は身体障害者の入居を優先すると約束していただいたことが、今でも有効なのかどうかということを質問させていただいています。
質問項目(4)、(5)では、私たちの取り組みを貴市の福祉方針とかねあわせてどう評価されるかということを質問させていただきました。この質問について貴市は実際に見て確かめたいと答えられ、その後上記したような私たちの取り組みに参加してくださりました。ご感想をお聞きかせねがえればと思います。
ぜひ、前向きなお答えをお願いします。
2.「やまぐち障害者解放センター」の障害者自立支援に補助金をつけてください。
私たち「やまぐち障害者解放センター」は、施設障害者と在宅障害者と健全者との結びつきを重視して多方面にわたる活動をしています。春のピクニック、夏のキャンプ、冬の施設交流会を企画し、また地域の様々な人々とのつながりを求めて諸団体の企画への共催・参加などを行っています。
このような企画は95年以降、私たちが言うところの専従介護者を配置することで安定的に行えるようになりました。
専従の任務は多岐にわたります。生活介護もしてもらっていますが、月1回くらい施設訪問に同行してもらい、施設から会議などに参加する障害者の送迎をしてもらっています。事務局会議や幹事会、総会、各種委員会の会議、入居者会議、これらの記録・整理・資料作成もしてもらっています。また一緒に運動をするものとして意見を出してもらったり、あるいは障害者の意見を引き出してもらっています。
専従介護者は、健常者であれば誰でもいいというものではありません。ある程度の期間にわたり一緒に活動をしてきた人でないと、1人1人の障害者の状態が分からないからです。
日常の生活介護をとりあげても難しいものがあります。責任のとり方を障害者が分かっていない場合が多いため、どのようにして責任を果たせるかまで専従介護者には障害者の仲間と一緒に考えてもらっています。責任をとれなければ自立とは言えませんし、かといっていきなり全ての責任をとらせるのも無理があります。ころ合いを見定めながら、お互いにコミュニケーションしながら行っていくことが求められます。しかし、私たち40歳以上の障害者は、教育免除というかたちで基本的な教育さえ受けていないのがしばしばなので、自分の思いを伝えること自体がなかなかうまくできません。コミュニケーションをとること自体が困難になっているのです。
単なる生命保持だけでなく、障害者の主体性の回復を実現していきたい私たちには、このコミュニケーションの困難性を理解した介護者でなければならないのです。
現在専従介護者は2名配置しています。95年当初は1名でしたが、それでは上記の専従の仕事が十分出来なかったからです。安定して仕事を果たしていくためには、専従介護者が最低2名必要であるようです。
この専従介護者の生活を支えるために、今のところ他人介護料を使っています。しかし、専従介護者以外の介護料も他人介護料から支払っているので、不足分がかなり出ています。今のところは食費を削ってかろうじてまかなっている状態です。
しかしこのままではあまりにも不安定です。そこで「障害者等との交流や連携の下に、主体的な学習活動を展開している障害者関係団体の活動を支援する」との、貴市の障害者福祉計画に基づく助成をお願いしたいと思っています。1人の健全者が最低限の文化的な生活を営むのに必要な額と私どもで計上した(添付した表をご覧ください)、月額181,500円を物価スライド制で、その額に国民年金と国民健康保険料と税金を加算した額を2人分、要求させていただきたいと思います。
あわせて、私たち「やまぐち障害者解放センター」の運営費に対する補助もお願いしたいと思います。地域全体の障害者の介護にあたっている、私たち「やまぐち障害者解放センター」の登録介護者の募集ビラなどの印刷に要する事務費として、年額4万円を要求させていただきたいと思います。
よろしくご検討のほど、お願いします。