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「アルゴ」概要 〜今の住まい
 
 
   

 
 重度身体障害者である4人の「アルゴ」入居者は、山口市矢原に一軒家を借りて集団生活しています。つくりは個室がとりにくく、カーテンで仕切っている部屋もあります。手狭なので、自立体験で障害者の友人が来たときに、宿泊に困っています。老朽化が進行しており、倒壊の危機にもあります。家賃は4人分で12.5万円です。
 「アルゴ」での生活は、10年以上になります。地域の郵便局や、スーパーの人々とも顔なじみとなり、私たち重度身体障害者が、例えば貯金を引き出す際にはその介護をしてくれたり、買い物のおりにはカゴの中に商品を入れてくれたりしてくれます。
 

 

「アルゴ」概要 〜「アルゴ」の介護体制
 
 
   
 
 

 

「アルゴ」の

介護スケジュール

(平日)

 
 「アルゴ」入居者はみな重度障害なので、唯一の収入は年金や生活保護などです。そこから、生活費や家賃、他人介護料を引いた残りをこずかいとして生活しています。
 夕方・夜の介護は、地域の学生・労働者に広くよびかけ来てもらっている「登録介護者」にあたってもらっています。朝から夕方までは、特に障害者の自立支援、障害者解放運動に熱意を示してくれた人を「専従介護者」として、介護にあたってもらいながら一緒に障害者運動を取り組んでいます。また、午前中には山口市から派遣される在宅ヘルパー制度も併用しています。
 登録介護者は現在40人、専従介護者は現在フルタイムが2人となっています。02年度から専従介護者2人体制とすることで、「アルゴ」入居者が施設の仲間を訪問したり、障害者同士で話しあったり、障害者を取りまく制度・社会を学ぶことが、円滑にできるようになりました。
 また、地域でよびかけ広く来てもらっている登録介護者からは、介護を続けていく中で障害者に対する差別・偏見に気づいていったとの声が多くよせられ、障害者に対する地域の理解が深められています。
 専従介護者には生活費として月13万円を、登録介護者には1時間当たり600円の介護料を受け取ってもらっています。それらは、「アルゴ」入居者が拠出する他人介護料を主な財源としていますが、不足しているのでこれまで貯めてきた貯金を取り崩しているのが現状です。

 

「アルゴ」概要 〜「アルゴ」の日常生活
 
 
 
 



 
 「アルゴ」では、自分たちのことは、できるだけ自分たちでするようにしています。日替わりの当番制で入居者は食事メニューを考え、食材を買いに行きます。その他日常雑貨も入居者が判断して買いに行きます。大型家電製品も、入居者一同で検討し購入します。登録介護者への日々の介護依頼も、入居者が行います。介護スケジュールも、自分たちの希望をもちより決めています。
 これら日々の生活での気づきや相談は、入居者一同で行う入居者会議で話しあいます。例えば、エアコンを増設したいと声がでたり、お金が無いと反論されたり、ならば積立をしようと提案が出たりします。また介護者から「夜更かしは勘弁してください」という声が出れば、みなで思うところを話しあい、解決にむけ考えます。このような日々の生活の中で「アルゴ」入居者は、「障害者だから」と過度に気づかわれ身につける機会を失っていた生活力や周りへの思いやりなどを回復させてきています。
 このことは、同じような境遇を通り抜けてきた障害者同士が一緒に暮らすことでより効果的になっています。周りには理解されにくい悩みや不安、不満が、日常的に話しあえるからです。「アルゴ」に住むことで、生きる気力を取り戻した入居者も出てきています。

 
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