3月23日10時〜15時半まで「オーロラの家」にて、第10回総会を行いました。17人の参加の下、支援費制度の分析や、養護学校の実情報告、障害者の自立に向けた取り組み報告など、活発な論議が交わされました。→総会基調
冒頭、来賓の山口市議の藤村さんと、連帯労組山口の原書記長より激励のあいさつがされました。
第1号議案「情勢」では、日本の障害者をとりまく貧困な福祉と隔離政策、その原因として戦後日本の、輸出競争力を強めるため労働者が残業を厭わない政策を採ってきたこと、具体的には低福祉政策により相対的に充実した企業福祉を餌にして企業への忠誠心をあおってきたこと、80年代の円高政策で輸出が困難になったため、一層の低福祉化と国内の市場拡大として支援費制度のように公的部門の民営化がなされてきたのではないかと提起されました。このような社会を良くしていくためには、赤堀闘争を引き継ぐ、あらゆる障害者・健常者と闘う障害者解放運動が提起されました。
論議では施設入居者から負担が増えたと報告され、事務局が支援費制度と併せて入居者の負担領域が増えたためと説明し福祉削減の実態を浮き彫りにしました。養護学校の教員から養護学校への予算削減の実態が報告され、分離教育政策と言えないのではと意見が出、新たな仲間をつくっていくためにも養護学校により関心をもっていくことを確認しました。
昼食を挟んで第2号議案「活動報告・方針」を審議しました。施設糾弾闘争については、告発者を一方的に持ち上げる中、動揺を支えきれなかった失敗が教訓化されました。また介護委員会から、厳しいことを言う健常者から遠ざかる障害者の傾向を確認してきたことが報告されました。富田さんから、重度障害者同士の結婚生活をつくるためこれまでしてきたことが報告されました。それぞれに質問が出て活発な意見交換がされました。
第3号議案の「予算」では、他団体との共闘を深めるための予算を増やす方針が出され、第4号議案の「人事」は議案が承認され総会は終わりました。
総会・ダイジェスト
第1号議案 情勢
情勢論議は、情勢を反映した活発なものとなりました。
■分離教育
養護学校だけに看護士などを派遣するのは、健康不安があれば養護学校へ行けという分離教育攻撃だという基調に、養護学校の教員から「うちの学校も予算が削減されている。分離教育の推進ではないのでは」と意見が出ました。事務局は「普通学校には看護師派遣をしないのは問題では」と応えました。
話しは広がり、「飛び級などエリート重視を政府はしている。そういうのも見ておくべきだ」という意見や、「貧富の格差が広がってて、豊かな家の子どもだけが学校に行けるというのがある」など様々な意見が出ました。
最後に、養護学校へ関心を深め、若い障害者の仲間をつくろうと確認しました。
■支援費制度
施設入居者が、「施設から石けんとかの費用や、お金の預かり賃を新たに要求された」と報告しました。
この報告に事務局は「福祉予算全体が削減されている。『日常生活費』は施設が用意しているからと、支援費制度になり国の予算80億円以上が削られた」と解説しました。
金銭管理の介護料請求は、契約として介護内容を決める支援費制度の問題だとの指摘や、「入所者が全員契約を押し付けられるのがおかしい」など意見が相次ぎました。
契約も、親がして当事者は説明を聞くだけにされたとも報告がありました。実態調査をせねばならないと最後に確認しました。
第2号議案 運動報告
特に施設委員会と介護委員会の活動総括で、活発な意見交換がされました。
■施設委員会
施設の様子をきちんと知るため、毎月訪問する方針が確認されました。施設糾弾闘争について当事者から、夜でも早めに救急車をよぶようになったと施設の変化と、自分自身強くなれ、やって良かったと報告が出ました。
■介護委員会
「障害者が旅行に行くことについて、(中略)運動に関係ない人を呼びかけていました」との報告文に、どういうことかと質問が出ました。
介護委員である佐伯さんが、専従総括からきている話しだと説明しました。専従に運動をよびかけられなかったのは、運動面で批判せず、積極的に意見を言わない人を、障害者は好むからでは、というところまで総括していると報告されました。
他方で、「障害者の話しを聞いてくれるから好き」、と多くの障害者は言うものの、どんな話しをしているのかと聞くと実はたいして話しておらず、どういう人かと聞いても何も出てこないという傾向も併せて報告されました。
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