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2003年1月15日

厚生労働省大臣
坂口 力  様

要 請 書

 1月9日に、貴厚生労働省でヘルパー派遣時間について月120〜150時間の上限を設定することが検討されているとの報道がなされましたが、私たちやまぐち障害者解放センターは、10年にわたり障害者解放運動を取り組んできたものとして強く抗議いたします。
 私たちはいつまでも親元にいるのではなく、自立を願っています。また施設に入るのではなく、共に地域社会で生きていくことを望み、様々な活動を10年間日々取り組んでまいりました。そのような私たちとしましては、なぜ月120〜150時間が上限なのかが理解できません。これではヘルパー派遣時間が1日当たり4〜5時間となります。24時間介助を必要とする重度障害者は、残りの19〜20時間をどう過ごせというのでしょうか?自立するなということでしょうか?
 また、貴厚生労働省は、障害者の自己決定権の重要性を認められたので、来年度から障害者福祉制度を措置制度から支援費制度に改めたと聞いておりますが、このヘルパー派遣時間月120〜150時間を上限としようとする論議のどこに、障害者の声が活かされているのでしょうか?当事者である障害者不在の中で、このような重要なことが検討されていることに対し、私たちは怒りを禁じえません。
 ヘルパー派遣時間のことだけではありません。この間、福祉の切り捨てが目に余ります。来年度から、私たちの貴重な収入源である年金が戦後初めて減額されると聞いております。また、労働できない重度障害者にとって、年金と並んで重要な生活費となっている生活保護費の減額も検討されていると聞き及んでいます。私たち障害者の最低限の生活もが切り捨てられようとしているこの政治のありように対して、私たちは異議を唱えます。福祉切り捨ての理由として、しばしば国家財政の厳しさがあげられていますが、私たちとしては、1,400億円もかけてイージス艦という軍艦を新造するくらいなら、その税金を福祉に投入せよ、と思います。
 直ちに、ヘルパー派遣時間月120〜150時間を上限とする検討を停止することを、私たちは求めます。

やまぐち障害者解放センター
代表  藤井 彰